和風料理の特長は、代表的な調味料である醤油の味と香り、だしによる味わいの奥行き、そして素材のもち味を十分に生かすことにあります。 一般にもっとも相性がいいといわれてきた和食と日本酒ですが、お酒のタイプによって相性度にさまざまな差異がみられ、一概にはいえません。お酒は料理に調和したり、おぎない合うというはたらきがみられます。 |
■香りの高いタイプ このタイプは、和風料理においても料理 を選ぶ傾向にある。吟醸香は素材そのも のの香りを引き立てる役割をもつので、 素材によって相性が変化する。味わいと ともに香りの変化を楽しむことができる。 【料理例】松茸の土瓶蒸し、蒸しアワビ なめこおろし(柚添え) |
■熟成タイプ 素材そのものが特長的な味をもっている ものや、濃い目の味つけに合う。このタ イプの酒は、従来の日本酒とは味わいが 異なるため、相性条件が限定されがちで ある。だしを生かし薄味に仕上げた料理 のばあいは、酒が勝ちぎみになる。 【料理例】串揚げ、野菜の筑前煮 牛煮込み |
■軽快なめらかタイプ 料理の特性を生かす高い相性を示す。素 材そのものの味の濃淡を問わず、素材の 旨味を素直に引き出す。また、和風料理 特有の薬味である、ゆず、ごま、しょう がなどともよく合う。 【料理例】サンマの塩焼、焼鳥 しゃぶしゃぶ、白身魚・貝の造り |
■コクのあるタイプ 焼き物、煮物によく合う。全般的に和食 とは良い相性を示す。ワサビやシソなど、 個性の強い薬味にも負けない。醤油が酒 と料理の相性を高める相乗効果の役割を もつようである。 【料理例】ブリの照り焼、揚げだし豆腐 焼鳥、刺身 |