かぶら寿司や魚の糠漬け、いしる（魚醤）など伝統的食文化と「醗酵」が深く関わる石川県。2009年、その醗酵のメカニズムを探り、有意に後世に遺すべく、産官学共同研究が行われました。その過程で奥能登に伝わる「アジの熟れずし」から、きわめて機能性に優れた植物性乳酸菌ANP7-1株を発見。調査で奥能登を訪れた福光屋の担当者らは、「この辺りでは、子どもが風邪をひきはじめたらアジの熟れずしを食べさせる」という、暮らしの知恵をこのときに知ったのでした。そのような逸話を耳にしながら、産官学共同研究に関わった福光屋は、醸造技術を活かしてANP7-1株と米と麹を醗酵させたお米の乳酸菌ドリンクを開発しました。製品1本あたり1500億個、ヨーグルトの十倍以上の植物性乳酸菌を含んだ機能性の高い飲料として各方面から評価を得ました。

2017年3月、金沢大学大学院医薬保健学総合研究科の鈴木信孝教授が、福光屋の乳酸菌飲料ANP71の臨床試験結果を日本補完代替医療学会にて論文発表しました。それによると健常成人が1日1本乳酸菌飲料ANP71を連日4週間継続摂取すると、排便状況の改善（排便量増加、排便時爽快感の増加、腹部膨満感の減少）、血圧降下作用、液性免疫優位の変化など、広範囲な体質改善をもたらす可能性が示唆されました。さらに、予防医学の面からも大いに期待される、注目の乳酸醗酵飲料。奥能登の家々に伝わる経験則が、一つの裏付けを得た形となったのです。毎日の健康習慣に、これからの季節の風邪予防も期待できる、頼りになる醗酵飲料です。