2018年の年号と、干支の「戌(いぬ)」をデザインしたお正月にふさわしい季節限定の純米大吟醸のしぼりたてです。
干支のアートラベルは画家・牧野伊三夫氏による描き下ろしです。お歳暮やお年賀、新年の祝酒や年越しの乾杯にも最適です。
しぼりたて新酒の初々しい旨さ、香りの高さをお楽しみください。
品々
PRODUCT
牧野伊三夫さんと吟醸新酒と福光屋 ~アトリエ兼ご自宅をお訪ねして~
2017年7月4日。企画広報室の担当者やショップスタッフ総勢5名は、遠路、東京郊外の牧野さんのご自宅兼アトリエに向かいました。目的の一つは、11月22日発売の「吟醸新酒」のための描き下ろし原画を頂戴すること。もう一つは、牧野さんが栄えあるADC賞を受賞されたお祝い。さらに牧野さんの53回目のお誕生日のお祝いと、仕事風の祝宴に参じるためでした。(ADC受賞編、牧野さんのおもてなし編は、このサイト内で後日記事にします)
牧野さんが描く「戌年」は、愛らしい表情の犬張子
四季にあわせて年4回、描き下ろしのアートラベルでお届けする「福正宗 酒歳時記」シリーズ。牧野さんには、2013年の吟醸新酒からラベル画を描いていただき、ちょうど5年が経ちました。牧野さんの絵で四季折々20のお酒が世に送り出されたことになります。この2018年吟醸新酒は、戊戌(つちのえいぬ)の干支にちなんだ愛らしい犬張子がモチーフ。健勝と子孫繁栄の縁起物でもある犬張子の絵を、私たちが到着するほんの少し前まで粘りに粘って描き上げてくださいました。ほのぼのと大らかで、何とも愛らしい表情。ふわりと温かい気持ちにさせてくれる作品に、福光屋スタッフから歓声が上がりました。
「おめでたく見えるようにと、朱色の初日を大きくしましてね。文字を入れるとまた雰囲気が変わるかもしれませんが、犬張子は気が強い次男という風になりました」と、牧野さん流の解説に加え、「毎回本当に苦心して、数点描いてから自分なりに選んで福光屋さんにお渡しするんです。今日は本丸に攻め込まれてしまいましたから、震えながら多めに描いたんです 笑。喜んでいただけて、何よりです」。牧野さんらしい謙遜とはにかんだ冗談に抱腹のひとときながら、その後、とても真剣に真面目に福光屋の仕事に取り組んでくださっているお話しを伺いました。
ユーモア少々、愛情溢れる真剣なおつきあい
「福光屋さんとこれから一緒に仕事をしていこうということになって、一度金沢の酒蔵に伺ったときにね。歴史も古くて伝統もあるのに、なんでこんなに新しいことをやっているんだろうと思いまして、とても驚いたんです。この会社はやろうとしていることが明快で、進歩的で、面白いなと思ったんです。でも、絵描きの絵と商業、お酒を売らなきゃいけないことが、うまく融合しないこともあってお互い真剣勝負。僕なんかカチンときちゃって、言いたいこを言ってしまうんだけれど、それでもどうしても僕に描いて欲しいとおっしゃってくださる。担当のOさんとお互い違う立場から本音で意見をぶつけ合えることが愉しくてね」と、牧野さん。
改めてお伺いする牧野さんの「酒歳時記」に対するお気持ちに、私たちも心を打たれ、嬉しくなりました。福光屋の季節酒の一つに、このような舞台裏があるのです。吟醸新酒の次は、2月下旬に発売予定の「酒歳時記 春吟醸」。どのような絵を描いてくださるのか心待ちにしています。