まいこホリスティック スキンクリニック院長・山﨑まいこ先生が解説! 内外美容最新トピックス2023<腸活編> | こめから.jp | お米のチカラで豊かに、上質に。

酒蔵の醗酵美

HEALTH & BEAUTY

2023.11.22.

まいこホリスティック スキンクリニック院長・山﨑まいこ先生が解説! 内外美容最新トピックス2023<腸活編>

薬や医療的な治療だけでなく、腸内環境や栄養状態などの内面からのアプローチで「ホリスティック=トータル」な健康と美容を提唱する皮膚科医・山﨑まいこ先生。
「第二の脳」ともいわれ、栄養の消化吸収や解毒はもとより、認知機能や免疫機能、メンタルバランスなどのカギを握るといわれる腸について、知っておきたい最新情報を教わりました。

山﨑まいこ Maiko Yamasaki

まいこ ホリスティック スキン クリニック 院長。皮膚科医。
滋賀医大卒業後勤務医として形成外科医、皮膚科医、美容皮膚科医として務め、2017年東京・代官山にクリニックを開業。ホリスティックな視点から、外側の治療だけでなく、身体の内側、腸内の健康、心のあり方までサポートし、真の健康と美しさを追求している。オーダーメイドで患者に寄り添う医療には定評があり、各界著名人やビューティー関係者からの信頼も厚い。さまざまなアイテムの揃うECサイト「まいこホリスティックオンライン」の監修も務める。近著に「美しい肌が生まれるところ」(ワニブックス)がある。

まいこホリスティック スキンクリニック
東京都 渋谷区代官山町8-6 アイディ代官山2F TEL:03‐6712‐7015
https://mhs-cl.com

#1. 腸内細菌は今、“多様性”が主流です

日和見菌が腸内細菌の大部分を占めることに変わりはありませんが、かつては善玉菌/悪玉菌と区分され、「悪玉菌=悪」と考えられていたものの中にも、腸にとっては有効な働きをする種目が存在することが最近の研究でも解明されています。善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7という対比が必ずしもベストという訳ではなく、まずはいろいろな種類の菌が共存すること。腸内細菌の多様性を育むことが重要だということがわかってきました。

#2. 腸が原因かもしれない不調はこんなにある

慢性的な「プチ不調」の原因の一つは、腸にあると考えてもいいケースが多くあります。例えば、たいして活動してもいないのにすごく疲労を感じる、便秘や下痢症状はないのにお腹がよく張る、胃もたれしやすい、慢性的な頭痛、じんましん、大人ニキビ、メンタルの波が大きくイライラや落ち込みが強い、節々が痛い、眠りにくいなどさまざまです。ダイレクトに腸に結びつかないような症状も腸が問題のカギを握っていることがあるのです。

#3. プレバイオ×プロバイオ=シンバイオティクスという考え方

腸に生きた菌を届けるプロバイオティクス、腸内細菌のエサになるような成分や栄養素を届けるプレバイオティクス。最近では、その両方の働きで腸内細菌を活性させるシンバイオティクスというアプローチが主流です。生きた菌は腸に定着はしませんが、腸内環境を整えることにつながるさまざまな好影響を与えてくれます。治療レベルでケアが必要な腸の不具合には、まずダイレクトに生きた菌を補って菌の数を増やすことが大切です。お腹に具体的な困り事がなくても、よりトータルな健康を保ちたい人にはプレバイオティクスが有効です。

#4. 腸内細菌を決めるのは3歳まで。大人にできることは?

人の腸内細菌の種類が決まるのは、おおよそ3歳くらいまでの間。多様性を育むためにも、3歳までの間にいろいろなものに触れたり舐めたりすることがとても大事です。何でも汚いといって消毒するのは腸内細菌を育てるチャンスを奪っているのですね。では、大人になってからどうしたらよいかというと、プロバイオティクスを定期的取り込むことが大切だと考えます。菌の種類を変えることは難しいのですが、細菌バランスを変えることができ、定着しないにしてもよい菌が腸を通過する過程でさまざまなシグナルが出ます。これによって、もともと持っていたよい菌を活性化させたり、腸粘膜のバリア機能に働きかけることができます。

#5. エンプティーフードを見直そう

よく問題視されるのが、カロリーやボリュームは多いのに栄養価が極端に少ない「エンプティーフード」。空っぽの食材といわれる類のものです。ファストフードや加工食品、痩せた土壌で無理やりつくられた野菜や輸入青果など。頑張って1日の摂取推奨品目数や量を食べても必要な栄養価を摂取できないことも。さらに腸の消化吸収力が弱まっている場合は栄養不足に陥ることにもなります。サラダを食べているからOKではなく、その野菜の栄養が本当にしっかり消化され、吸収されているか? 消化吸収のための負荷が少ない温野菜で置き換えてみることはできないか? 食の質はもちろん食べ方を見直すことも大切な腸活です。

#6. 脳とメンタルと腸は相思相愛

腸内環境が乱れると腸の粘膜に炎症性の物質ができやすく、体に炎症を起こすシグナルが出やすくなります。あるいは、心身の機能を正常に保つ神経伝達物質(やる気を出させたり、リラックスさせたりする物質など)が十分につくられない、減ってしまうこともありえます。また、粘膜がダメージを受けて腸のバリア機能が低下すると、せっかく摂取した食べ物が新たな炎症につながり、脳を過剰に興奮させたり、イライラや集中力の低下などを招くこともあります。幸せを感じやすいかどうか、普段の生活上の記憶力や認知能力、健康寿命も腸内環境の質、腸内に炎症性の物質があるかないかで大きく変わってきます。

#7. 股関節を大きく動かして外側から腸を刺激!

腸の活性を身体の外側から促すセルフケアもあります。日本人は歩幅が小さく、膝下を動かす歩行スタイルの方が多いのですが、あえて大股で膝をよく上げて歩くことが腸への刺激になります。活動量が少ないと自覚される方は、歩き方の工夫や短時間のストレッチで腸腰筋や股関節をよく動かす意識をもつこと大切です。

Tags