伝統の手造りの山廃もとで育てた酵母を使って仕込んだ純米酒を、蔵内でじっくりと熟成させました。山廃仕込みならではのキレのよさと、米の旨味が存分にいきた「堂々(どうどう)」とした味わいです。刺身、寿司などの魚介料理との相性が抜群で、金沢の多くの料理屋に支持されています。しっかりとした味わいは冷やしても、お燗でも美味しくいただけます。
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【日本酒講座・講師に聞く!】
ロックでさらに美味しい夏の日本酒。
日本酒は冷酒、常温、お燗とさまざまな温度帯で、それぞれの味わいや表情を楽しむことができる世界でも珍しいお酒です。夏本番のこの時期、日本酒の楽しみ方にもう一つ、氷を浮かべて味わう「ロック」をおすすめしたいと思います。日本酒ロックの魅力を、唎酒師で福光屋の日本酒講座の講師を務める小島尚子マネージャーに聞きました。
――ロックでお酒を飲むことのよさは?
一番は、同じお酒でも飲み口や表情が大きく変わり、その違いを楽しむことができる点です。氷を入れることで、お酒の味わいがまろやかになること、喉越しがなめらかになる効果もあります。また、アルコール度数を抑えられることも大切な要素です。気温が高く、汗をかく時期に、アルコール度数の高い日本酒を飲むことは身体の負担にもつながります。氷が少しずつ溶けて加水された状態になると、当然アルコール度数が下がりますから、夏には身体にやさしい飲み方だといえます。
――ロックにすると何がどう変わるのですか?
「黒帯 堂々」を例にすると、常温では米の香り、旨味、甘味などの味わいをフルボディで感じられ、力強く、濃厚でストレートな個性を楽しめます。冷酒の場合は、濃厚さを感じつつもすっきりした軽快な印象に。ロックにすると冷酒よりさらに喉越しがよくなり、口当たりのなめらかさがいっそう心地よく感じられると思います。黒帯 堂々のロックは旨味を楽しみながら、さっぱり、するりと飲みたいときにおすすめです。つるりとした食感に、濃厚な味わいの肴、例えば鰻の蒲焼などを合わせると最高です。
――ロックで飲むにふさわしいお酒はどんなタイプですか?
ロックで楽しむ場合のお酒の向き、不向きは確かにあります。いわゆる“淡麗・辛口”タイプのお酒は、薄まることでコシが抜けたような印象になることがあります。福光屋の純米酒はいずれもしっかりした旨味が特長ですが、とくに黒帯 堂々は味わいが濃醇で熟成によるまろやかさ、どんな温度帯でも揺るがない骨格があるため、ロックにしても非常に美味しく飲めるお酒です。
その他には、生酒や原酒がロックにいいですね。生酒は一度も火入れをしないお酒で、溌溂とした香りやフレッシュな味わいが特長です。冷酒で飲むことが多いと思いますが、旨味やコクがしっかりした生酒は、ロックにすると本来の特長に食感のやわらかさが加わると思います。原酒は搾ったあとにアルコール度数調整のための加水を一切行わないお酒ですからアルコール度数が比較的高く、濃厚な味わいをもつお酒が多いのです。原酒をロックにすると、氷が少しずつ溶けてアルコール度数を和らげるため、ロックに向くと考えています。
――具体的な銘柄を挙げると?
黒帯 堂々をはじめ、加賀鳶の夏季限定酒「加賀鳶 夏純米・生」は、瑞々しさとお米の旨味のある生酒ですから、ロックにしても非常に美味しく、さらに口当たりよくお飲みいただけます。また「加賀鳶 純米大吟醸 極上原酒」は、大吟醸であっても原酒ならではの非常にパワフルな味わい。ロックにしても氷負けせず、吟醸香を感じさせながら、よりすっきりと辛口のキレを楽しんでいただくことができます。夏野菜の揚げびたしや、甘味のある白身のお魚などと合わせて楽しめると思います。
――より美味しくロックを楽しむための工夫はありますか?
私自信は、最初からロックで飲むことはしません。飲み進めるうちに少し重く感じたり、体温の上昇を感じたタイミングで、お酒に大きめの氷を入れます。氷は大きめを用意されることをおすすめします。少し手間かもしれませんが、福光屋のすべてのお酒の仕込み水「百年水」(500ml、2000mlボトルで販売)で氷をつくるのが究極の理想です。お酒と氷の水を揃え、よりピュアな日本酒ロックをお楽しみいただけます。
一切の火入れをせず力強くしぼった純米酒を、爽やかな風味そのままに封じ込めました。力強い骨太さがありながら、フレッシュで軽やかな味わい。清涼感あふれるキレの良い辛口に仕上がり、米の旨味が存分に生きた夏季限定の美味しさです。爽やかなスパイスがきいた料理に良く合います。
契約栽培した酒米の最高峰「山田錦」のみを使用し、伝統の技で丹念に仕込んだ純米大吟醸の原酒です。華やかな吟醸香と、軽快で爽やかな旨味とキレが特長です。数ある純米大吟醸の貯蔵酒の中から、さらに厳選して原酒を選んだ極上の一本です。