村米制度を守り、育てて30年余

「村米制度」とは、より良い酒米を求めて、農家と土づくりから共に研究し、その村の米をすべて買い上げる理想的な方法です。今では全国でも稀になってしまいましたが、福光屋は、これまで30年以上にわたってこの制度を大事に守り、育ててきました。
わたしたちは、毎年、秋の刈り取り時期には契約農家を訪ね、酒米の出来具合を実際に見て、触れて確認します。また、冬には農家の人たちが雪の酒蔵にやってきます。手塩にかけた酒米がかぐわしい新酒となった、その出来映えをみにくるのです。一緒に味わいや舌ざわりを確かめ、次の年の米づくり、酒造りがさらによくなるよう、率直に意見を交換しあっています。


酒米の品種に適した栽培地で

酒米の最高峰といわれる「山田錦」は、全国の酒造家から熱望されていますが、育成が難しい上に、栽培地が限られているため、思うように入手できないことも多く、稀少価値の高い存在です。山田錦発祥の地、兵庫県中町は、盆地特有の気候と粘土質の土壌をもち、山田錦の栽培に最適な条件を備えています。
昭和35年に福光屋は、この中区・坂本と山田錦の契約栽培をはじめました。そして今では長野県木島平では「金紋錦」を、兵庫県出石町では「フクノハナ」をそれぞれ契約栽培しています。いずれも風通 しのよい盆地で、ずばらしい自然環境のもと、福光屋の酒米はすくすくと育てられています。


もどる